主要生活道路とは何か?

主要生活道路とは何か?

不動産の調査をしていると、対象物件の敷地に主要生活道路というものが重なっている場合があります。ここでは、都市計画道路との違いを含め、主要生活道路について説明します。

主要生活道路

主要生活道路とは、幹線道路または地区幹線道路である都市計画道路を補完して、地域内の交通を円滑にするとともに、消防車などの緊急車両の進入や延焼防止等により防災性の向上を図る道路です。

例えば世田谷区の場合、都市計画道路が概ね1~1.5km間隔で配置されているのに対して、主要幹線道路はおよそ500m間隔で配置されています。

また幅員は、都市計画道路では15mまたは20m以上となることが多いですが、主要生活道路は、世田谷区で10~13m程度、寝屋川市で6.7mとされています。

都市計画道路との違い

主要幹線道路は、整備プロセスと建築制限が都市計画道路と大きく異なっています。

都市計画道路 主要生活道路
整備主体 都道府県中心 市区
整備のプロセス 2段階(都市計画決定 → 事業決定) 1段階(事業決定のみ)
道路計画線 都市計画決定時点で計画線が決定 事業化するまで計画線が決定しない
建築制限 建築行為の制限あり 事業化するまで建築行為の制限なし

このように、都市計画道路は計画時点で計画線が決まって建築行為が制限されるのに対して、主要生活道路は事業化されるまで計画線が決まらず、建築制限もありません。

主要生活道路が被さっている土地の売買

事業化するまで正確な計画線は決まりませんが、物件の敷地が主要正確道路の拡幅部分に含まれるかどうかは、計画図等を見るとを大体分かると思います。

道路の計画は、財政的な負担や実行の困難さから、最終的に実施されるかどうか分からないことも多いですが、優先整備路線に該当している場合には事業化される可能性がかなり高いと言えます。

主要生活道路が事業化されると、以下の2つが生じます。

  • 敷地の一部が買収され、土地の面積が小さくなる
  • 道路の幅員が広くなり、交通量が増える

これらは、不動産の用途や土地面積によって、資産価値にプラスの効果になる場合も、マイナスの効果になる場合もあります。

現在は建築制限が無くても、これらの点を考慮して売却や購入を検討すると良いでしょう。

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