容積率の不算入とは

容積率の不算入とは

容積率は、「建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合」(建築基準法52条)で、以下のように計算されます。

容積率 = 延べ面積 / 敷地面積

延べ面積は、各階の床面積の合計ですが、容積率の計算上、いくつかの項目は延べ面積に含めなくて良いこととされています。

それを容積不算入(または容積率不算入)と言い、以下の項目があります。

不算入できる項目

(改正時期)

不算入の条件・限度
① 自動車車庫等

(駐車場:昭和39年1月15日、

駐輪場:昭和62年11月16日)

駐輪場等を含め、建物の延べ面積の1/5まで
② 防災用備蓄倉庫 建物の延べ面積の1/50まで
③ 蓄電池の設置部分 建物の延べ面積の1/50まで
④ 自家発電設備の設置部分 建物の延べ面積の1/100まで
⑤ 貯水槽の設置部分 建物の延べ面積の1/100まで
⑥ 地階の住宅等

(平成6年6月29日)

当該建物の住宅部分の床面積の1/3まで
⑦ 共同住宅の共用の廊下等の部分

(平成9年9月1日)

エントランスホール、エレベーターホール、階段等を含め、条件に合致するもの全て
⑧ 昇降機の昇降路

(平成26年7月1日)

エレベーターが上下する竪穴部分。全て不算入。

自動車車庫等以外の容積不算入は、平成になってから設けられたものです。そのため、古い建物の容積率について確認する場合には、駐車場のみを考慮すれば良いでしょう。

① ~ ⑤と⑧は、建築物の用途を問わず、不算入の対象となります。② ~ ⑤は、災害対策に利用される部分です。また、⑧は、エレベータの昇降路(上下に移動するための竪穴)のことです。

⑥は、住宅のみで、天井が地盤面から高さ1m以下にあるものが対象です。地価の高いエリアで、よく利用されています。なお、住宅には、一戸建て住宅のほか、長屋、共同住宅(アパート・マンション)、老人ホームその他これらに類するものが含まれます。

⑦は、アパートやマンションなどの共同住宅について適用されます。なお、事務所等を兼用する住宅については対象外です。

一般に、マンションは事務所として使用できませんが、その理由の一つは、住戸を事務所として利用するとこの緩和が適用されず、結果として、容積率を超過して違法建築になってしまうためです。

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