不動産について調べていると、水道や下水道が私設管ということがあります。ここでは水道の私設管について説明します。
本管と引込管
道路には水道と下水、都市ガスの太い管が埋められています。家などの建物で上下水道や都市ガスを利用する場合は、道路に埋められている太い管に細い管を付けて、建物の敷地へと引き込みます。
この道路に埋められている太い管を「本管(ほんかん)」と言い、本管から建物へとつなぐ細い管を「引込管(ひきこみかん)」と呼びます。
本管に引込管を設けることを「取出し(とりだし)」と言います。
水道管はどこからが自分のものか?
水道の場合、通常、本管は市町村などが所有しています。本管と引込管をつなぐ部品を分水栓といい、この分水栓から先は個人の所有物です。
ただし、メーター(メーター受信機含む)は個人の所有物ではありません。ちなみに、分水栓から水道の蛇口までを「給水装置」と呼びます。
水道管は誰が管理するのか?
水道管で水漏れなどの故障があった時などは誰が修理するのでしょうか?
本管は市町村等、給水装置は個人の所有なので、所有者が修理をするように思えますが、実は少し違っています。
道路などの公共用地の地下にある部分については、個人が所有する引込管も市町村等で修理をしてくれます。
個人の敷地の地下にある引込管等については、所有者に管理責任があります。
公設管と私設管
通常、本管は市町村等が所有していますが、私道には市町村等の所有ではない本管が埋まっている場合があります。
これは、私道の所有者などが自分たちの建物に水道を引き込む目的で私的に設けた本管で、これを「私設管(しせつかん)」と呼びます。
一方、市町村等が所有する本管を「公設管(こうせつかん)」と呼びます。
私設管の利用
私設管は私道の所有者等で共有していることが多く、その場合、不動産の売買に合わせて私設管の持分も売買されます。
所有や利用にあたっては維持管理等の費用がかかります。
また、私設管の利用には、所有者の承諾が必要です。利用についての取り決めが無い場合には、私設管の持分を所有していても他の所有者全員の承諾が必要です。