用途地域
用途地域とは、「ここは工場を建てても良いところ」、「ここは大きな店舗は建ててはダメなところ」、というように、建築できる建物の種類や用途を地域ごとに定める制限のことです。また、建築できる建物の種類や用途のほか、各用途地域に紐づくような形で、建蔽率や容積率、高さの最高限度などの制限が決められます。
用途地域には、大きく「住居系」・「商業系」・「工業系」の3つがあり、実際には以下の13のどれかが指定されます。
- 【住居系】 (第1種・第2種)低層住居専用地域、(第1種・第2種)中高層住居専用地域、(第1種・第2種)、住居地域、準住居地域、田園住居地域
- 【商業系】 近隣商業地域、商業地域
- 【工業系】 準工業地域、工業地域、工業専用地域
なお、用途地域は全ての地域に定められているわけではなく、都市計画法の「市街地区域」「非線引き区域」「準都市計画区域」の3つが対象となります。
接道義務
建築基準法で定められた、建物を建築する場合、その敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけない、という制限のこと。この基準を満たしていない土地に建物を建てることは基本的にできません。
なお、接する道路についても基準があり、その内容は建築基準法第42条に定められています。この基準に適合している道路を「建築基準法上の道路」と呼んでおり、接する道路がこちらに該当しない場合には、建物の建築ができません。そのため、接道の長さ(間口)と同じく、建築基準法上の道路に該当するかどうかが非常に重要になります。
道路種別
建築基準法の第42条に定められた道路の種類のこと。項・号により呼ばれることも多い。
- 1項1号道路:道路法による道路
- 1項2号道路:都市計画法・土地区画整理法・旧住宅地造成事業法・都市再開発法・新都市基盤整備法等による道路
- 1項3号道路:既存道。建築基準法3章が適用された際に、現に存在していた道路(幅員4m以上)
- 1項4号道路:完成したら1項1号・1項2号に該当するはずの道路のうち、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
- 1項5号道路:位置指定道路。特定行政庁による道路位置の指定を受けたもの
- 2項道路:建築基準法3章が適用された際に、現に存在していた幅員4m未満の道で特定行政庁が指定したもの
以上が主なものですが、他に3項道路などもあります。
開発許可
建物の建築計画が都市計画法に定められた開発行為にあたる場合には、建築確認申請などを行う前に、まず開発許可を受けなければなりません。
この開発許可制度は、無秩序な乱開発などを防ぎ、良好な環境を守るための制度で、開発行為に該当するのは、一定の規模を超える、土地の区画・形質の変更を伴う場合です。
開発行為に該当する敷地の規模については、各自治体で定めていて、東京都の場合には、島しょ地域を除く市街化区域内では500㎡以上、同じく島しょ地域を除く市街化調整区域内ではすべての規模が対象となります。
区画の変更とは、道路や河川等の付け替え、廃止、新設等によって土地の利用形態を変更することを指します。例えば1つの大きな敷地の中に道路を作って、道路の両側に戸建て住宅を複数建てる場合などです。
形質の変更には、形の変更と質の変更があり、形の変更が1mを超える切土又は盛土を行う造成、質の変更が農地や雑種地を宅地に変更するなどの土地の用途変更を指しています。
開発許可の申請がされると、開発審査会でその内容が審査され、問題がなければ許可書が発行されます。工事が終わったら、完了検査を受け、許可の通りに工事がされていれば、検査済証が交付されます。また、検査済証の交付後には、工事完了の公告がされます。
なお、開発許可の内容は各自治体の開発登録簿に保管され、誰でも閲覧することができます。